メディア/空間情報クラスター(メディア担当) 教授 会田弘継

事実の背後にある核心を見通すため、ジャーナリストに必要なこと。

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メディア/空間情報クラスター 教授 会田弘継

東京外国語大学英米科卒。共同通信社特別編集委員(コラムニスト)。ジュネーブ支局長、ワシントン支局長、論説委員長などを歴任。日本記者クラブ理事。著書に「追跡・アメリカの思想家たち」(新潮選書)など。

これまでの私の仕事

人間存在の本質に迫りたい。野望を抱いた私にアメリカは多くのことを教えてくれた。

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私は長く共同通信の記者として仕事をし、アメリカには二度駐在しました。もともと私は英語や英語圏の文化に興味がありました。ジャーナリストになろうと考えたのもアイルランドの作家、ジェームズ・ジョイスの小説に触れたことがきっかけです。ジョイスのように自分の目で人を深く観察し、世界を描きたいと思った。そして、記者として赴任したアメリカで、私は「アメリカを知るということはアメリカの現代思想を深く知ることなしにはあり得ない」と気付かされました。このことは何もアメリカに限るわけではない。あらゆる事実は、その背後にある思想に目を向けなければ、理解されることはないのです。

私の授業はここが面白い

人は常に思想活動をしている。そこに踏み込まなければ見えないものがある。

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日本のTVでも、大学での講義内容の面白さが話題となったアメリカの哲学者マイケル・サンデル氏へのインタビューの様子。

人は直接の体験として世界を知ることはできません。私たちは、ほとんどの事実をテレビや新聞、インターネットなどでの「疑似体験」から手に入れます。そして、その「疑似体験」から考えをまとめ、行動を起こす。常に人は事実を編むための“思想活動”をしているのです。では、その思想はどのように形成されるのか。このことを考えることがとても重要なのです。しかし、これは多くのジャーナリスト教育で欠落している部分です。私の授業では、実際に取材やインタビューを行いながらジャーナリズムを学ぶと同時に、人々の考え方がどのようにできあがっているか、その仕組みを学びます。

メディア/空間情報クラスターには他にどんな授業があるの?

受験生へのメッセージ

今世界はどこに向かっているのか?その見取り図を力強く描き上げよう。

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事実は、決してバラバラに存在しているのではありません。一つひとつの事実はつながっています。しかし、事実に立ち向かう私たち自身が、その事実をプロットするための「見取り図」を持たなければ、事実は断片のままであり、核心は見えてこない。今世界で起きていることを知り、その本質をつかむには、私たちがどういう時代に生き、それをどうとらえるのか、時代観と自らの思想が必要なのです。目前の事実の背後にあるものに突き進む、広い視野と思考力を、授業を通じて養ってください。私がジャーナリストとしての30年で学んできたことのすべてを伝えたいと思います。