学部紹介

学部長インタビュー

学部長 升本 潔 教授の写真 学部長 升本 潔 教授
北海道大学工学部衛生工学科卒業、アバディーン大学大学院修士課程(地域資源管理)修了、ケンブリッジ大学大学院修士課程(環境と開発)修了、早稲田大学大学院アジア太平洋研究科(国際関係学専攻)博士後期課程修了。青年海外協力隊隊員、国際協力機構(JICA)職員を経て、2016年に青山学院大学地球社会共生学部地球社会共生学科 教授就任。現在に至る。

地球社会共生学部ではどのようなことを学び、どのようなことを修得できるのでしょうか。学ぶことの意義やカリキュラムの特色、半期留学、課外活動から進学、就職まで、4年間を有意義に過ごすためのお話を升本 潔学部長に伺いました。

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まず、学部名にもある「地球社会」とはどのような社会を指すのかお考えを教えてください。

学部名称にある「地球」はグローバルの日本語訳であり、本学部の教育研究が、国家を基礎に形作られる国際社会ではなく、地球上に住むすべての人々の営みと関係性を基本とする「地球社会」を対象としていることを示しています。

地球規模の課題に挑む際に、なぜ「共生マインド」が必要なのでしょうか。

大部分の地球規模の課題は人々により生み出されたものです。そしてその影響は地球上のすべての人に及んでいます。これらの課題を解決するには、すべての国、すべての人々が協力して取り組むことが必要です。
世界の人々と協力してこれらの課題に取り組むためには、地球社会の多様性を意識しつつ、世界の人々と共に生き、共に価値を見出し、そしてより良い社会を共同で創造しようとする「共生マインド」が不可欠であると考えています。

2019年4月から新カリキュラムが導入されましたが、期待していることを教えてください。

今年度から新たなカリキュラムが導入されました。アジアへの留学をカリキュラムの柱とし、少人数制の英語の授業や幅広い社会科学の学びを提供するという基本的な枠組みはこれまでと同じです。
大きな変更点としては、学部の留学の派遣を2年次後期に集約したこと、1年次の「基礎演習(必修)」の導入および「留学準備セミナー」の充実です。これらの変更により、これまで以上に基礎力を固めて留学に送り出すことができるようになります。
異文化での体験を学びの基礎とするこれまでの方向性をしっかりと維持したまま、留学による学びの効果をより大きくし、その後の学生の成長につなげていければと思っています。

カリキュラムの柱である半期留学(学部留学)で、学生に身につけてほしいこと、また、期待している帰国後の学生の変化についても教えてください。

異文化の中で生活し、外国語で学ぶことは、楽しく刺激に満ちていると同時に、思い通りにいかないことや予想外の出来事に直面することもたくさんあると思います。学生たちには、地球社会の多様性、異文化理解の難しさやおもしろさを実際に体感してもらい、より広い視野と異文化への共感力を身につけてほしいと思います。
経験的、体験的な学びは多様で複雑な世界に生きることの難しさや喜びを自分のこととして感じ、想像する力の源となります。そして、こうしたリアルな体験は、学生の問題意識を明確にし、学びのモチベーションを高めることにつながります。何のために学ぶのか、自分は何がしたいのか、将来どうなりたいのかがより明確になると期待しています。

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4年間を通し英語能力向上に取り組まれ、さらに進学や就職などに向けての専門的な科目も配置されているGSC独自の英語教育についてとその手応えをお聞かせください。

GSCでは多面的な英語教育を提供しています。まず、入学時のプレースメントテストの成績をもとに1年次は10段階のレベル別クラスに分かれ、1クラス20名程度の少人数で、英語を母語とする講師による授業が週6回(90分/回)行われます。1年次は学部間協定留学の出願に必要な英語資格試験(IELTS)スコアを上げるため、4技能(聞く・話す・読む・書く)を高めることを主目的とした授業内容となっています。
学部留学前の2年次前期には、留学先大学で英語の授業に対応できるよう、ディスカッション能力やレポート作成能力、英文読解力などのアカデミックスキルを高める授業が、週4回(90分/回)実施されます。
本学部が提供している「Japan Studies Program」では、英語で日本について幅広く学ぶための科目群を用意しています。歴史、政治、経済、文化など多様な側面から、特に現代日本について実践も交えながら学びます。海外からの留学生と共にこれらの科目を学び、また彼らと交流することを通して、英語能力の向上のみならず、自己アイデンティティーの基盤となる日本社会についても理解を深めます。
さらに、本学部の専門科目の中には、英語で開講されている科目があります。これらの科目では、専門科目としての知識を得るだけではなく、英語で学ぶ力、英語を使う力を強化します。
TOEIC®やIELTSの試験結果からは、学生の英語力が着実に向上しているのがわかります。たとえばIELTSでは、大部分の学生が、1年次の前半で5.0以上に到達しており、集中的な英語教育の成果が出ていると考えています。
他方、これまでは、留学から帰ってきた学生の英語能力の維持、さらなる強化がひとつの課題になっていました。このため、新たなカリキュラムでは、帰国後に進学や就職に向けて、さらに英語力に磨きをかけたい学生のために、実践的に活用できる英語能力の向上をめざした科目を配置しました。
実体験を重視したコミュニケーションツールとしての英語教育は本学部の大きな特徴のひとつになっています。

GSCでの学びを通し、どのような成長を遂げ、どのような人材に成長してほしいとお考えですか。

本学部では、「地球社会のさまざまな課題に挑戦し、持続的発展に寄与したいという高い志と共生マインドをもって世界の人々と協働できる知恵と力をもった人材」を社会に輩出することにより、より良い地球社会の創造に貢献していきたいと考えています。
学生たちには、まず大学生としての基礎的学習能力と留学に必要な英語力をしっかりと身につけてもらいます。その上で留学などの異文化体験と学部での社会科学の学びにより、世界の人々と共に学び、共に働き、共に創るという「共生マインド」、日本および世界の現在と未来を広くかつ複眼的にとらえる「地球規模の視野と多角的な視点」、さらに、具体的な協働を進めるための「社会科学の幅広い素養に基づく理解力・構想力」をもった人材になってほしいと思います。

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留学生との交流やGSCならではの課外活動の意義を教えてください。

留学生との交流ですが、留学生をサポートするチューター制度のほか、学部が実施する国内のフィールドトリップやGSC学生連合が主催するクリスマスパーティーやスキーツアーなど、さまざまなイベントが用意されています。こうした場に積極的に参加することにより、国内にいながら他国からの留学生と異文化交流を行うことが可能です。また、本学部ではアジアへの学部留学を経た後、自身の関心をさらに追究し、海外の大学院で学びたい学生を支援するために、留学経験をもつ教員による海外大学院進学支援室を設置しています。1期生の中には、欧米の大学院への進学を予定している学生もいます。

学部1期生が卒業を迎え、社会に羽ばたきました。学生の4年間の成長をどのようにお感じになっていらっしゃいますか。

私たちの学部は2015年に開設し、2019年3月に初めての卒業生が社会に飛び立っていきました。1期生が入学した時は比較のしようがなかったのですが、彼らが4年次生になり、新たに入学してきた1年次生と比較するとその違いは一目瞭然でした。
特に、タイ・マレーシアへの半期留学を経て、授業に対する姿勢や物事の考え方が変化し、より前向きに、かつ深みが増したような気がします。つまり、ひとつのモノを見る際にいろいろな見方ができるようになったということです。
1期生ということで、先輩がおらず、いろいろ不安なこともあったと思いますが、逆にあまり型にはまらず、のびのびと育ってくれました。入学当時から進取の気性がある個性的な学生が多かったと思いますが、そうした個性、多様性を失わず、ここまで育ってくれたことは素晴らしいと思います。

卒業後、「地球社会」でどのように活躍してほしいと期待されますか。

世界は今後もグローバル化が進み、国内外の境界が薄れていくことが予想されています。どのような企業や団体でも、グローバル化とは無縁ではいられません。本学部の卒業生には、海外あるいは国内においても、こうしたグローバル化に自然体で向き合えるような人材として活躍してもらいたいと思います。
本学部での学びや留学経験を通じて得られた、地球規模の視野、地球社会の多様性の認識、異文化への共感、共生のマインド、そして語学力に裏打ちされたコミュニケーション力によって、近年ますます増えるダイバーシティな職務環境で、さまざまな国の異なる文化的背景をもつ人々と協力し合い、より良い地球社会の実現に向けてがんばってほしいと願っています。

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